坂って美味しいの(・・?

ロードバイク関連の日々を記していきます

ロードレースチームの資金

最近のロードレース界で驚いたニュースとしては…

・サンウェブのバルギルの謀反→ブエルタから除外

キャノンデールドラパックの存続危機

があります

その中でも深刻なのはキャノンデールの事態…

(バルギルは…まあ新天地で頑張りたまえ 笑)

報道では予定していたスポンサーの撤退により、来期もワールドツアーチームとして活動していくためには、日本円で7億7,000万円ほど足りないとの事です!

ワールドツアーチームはロードレース界においての最高位(最大18チーム)にあたりますが、このワールドツアーチームの平均的な予算は15〜20億円と言わられています

ワールドツアーチームの中で、資金力ベスト3とされているのが「チームスカイ、モビスター、バーレーンメリダ」のようです

この中でチームスカイはダントツのNo.1で、約50億円とか(*_*)

話は少し戻りますが、あくまで平均が15〜20億円なので、予算が少ないところは10億円+αくらいかもしれません

かつてワールドツアーからプロコンチネンタルに降格したユーロップカー(現ディレクトエネルジー)が当時10億円くらいの予算だったらしいので、10億円というのはかなり最低限のラインと思われます

元々予算が少なめと言われていたキャノンデールがそこに当てはまっているとすると、今年の予算が15億円前後としてそこから来期は7億円以上足りない…となると、来期分は10億円以下程度しか準備できていない可能性もあります

10億円というのはワールドツアーの下のプロコンチネンタルチームのトップレベルの予算のようで、今年のツールに出場したワンティの予算はプロコンとしては平均的な5億円くらいだったらしいです

(その下のコンチネンタルチームは多くて1億円程度、国内最強のチーム右京がそれくらい?、数年前の宇都宮ブリッツェンは5,000万円くらいだったとか)

余談ですが、以前のブログで話題にしたジェローム・ピノーが興したプロコンチネンタルチーム「ヴィタルコンセプト」は12億円準備できているとか!

これが本当ならワールドツアーチームも狙える規模です(^_^;)

そして他ジャンルのプロスポーツ、例えばJリーグのJ1だと25億円とかもあるそうですが、サッカー等の場合は入場料収入&放映料収入(の分配)が明確にある事が大きく違います

ロードレースはほぼ無料で現地観戦できるので入場料収入なんてありません…放映料収入も搾取されています

グッズ売り上げがあったとしても、他スポーツと比べたら微々たるものです

なのでレース活動をした上での収入というのは、他のスポーツと比べると著しく少ないのが問題です

ロードレースチームの予算はほぼスポンサー頼り…スポンサーが撤退すると即座にチームの存続に関わってしまう

これが他のプロスポーツと比べて、ロードレースチームが突然解散に至ってしまう理由です

キャノンデールはこの危機に対して、クラウドファンディングという奥の手に出たわけですが…

これだけで7億円以上をまかなうのは非常に困難であると予想されます

しかし、クラウドファンディングを行う事で、ファンやスポンサーなどに対外的なアピールをする目的もあります

実際、下位スポンサーが新たに2億円寄付という形で捻出してくれたそうです

さらにクラウドファンディングの事前申し込みで1億円強が集まっているそうで、順調に行けばあと4億円くらい…選手を切り詰めていけば、来期もワールドツアーチームとして活動できるレベルになるかもしれません

(チームは選手・スタッフがスムーズに他チームに移籍できるように、現段階で契約解除の方針ですが、ツール総合2位のリゴベルト・ウランはこの問題が出てから2週間待つと表明、ピエール・ローランらは他チームと交渉開始の模様…)

しかし最低限の活動資金、選手層ではレースの戦績で更なるアピールをすることは困難だと思われます

そしてまた資金がショートして危機に陥る…という悪循環も見えてきます(-_-;)

このクラウドファンディングの話を聞いて、別のスポーツでの出来事を思い出しました…

それはカーレーサーの小林可夢偉選手のF1末期の寄付行動です
彼の場合は寄付金でF1のシートを買う足しにしようとしていましたが…結局シートを獲得できるような寄付金を集められずに頓挫

F1からは撤退して紆余曲折(下位ランクのFerrariのGTチーム)を経て、現在はWEC(世界耐久選手権)のトヨタワークスのドライバーとして表舞台に舞い戻っています
キャノンデールもワールドツアーチームに固執せずに、一度ランクを落としたプロコンチネンタルになるのも1つの手だと思います
(スポンサーやマーケティング的には容認されないとは思いますが)
そこから復帰する可能性もゼロではありませんし、結局厳しいようですがスポンサー(資金)を集められなかったのは何かが足らなかっただけの事…そういうチームは過去に山ほどあっての新陳代謝、そして現在だと思います

キャノンデールは古くはマリオ・チッポリーニサエコチーム、そしてサガンやニバリがプロとして芽吹いたリクイガス、現在のキャノンデールドラパックは旧ガーミン(スリップストリーム社)系列と、ロードレースのトップレベルで絶え間ない流れを経てきました

そしてもちろん、キャノンデールというブランド自体が一般ユーザーにも浸透していて、ファンやユーザーも数多くみえます

私自身はキャノンデールユーザーになったことはありませんが、キャノンデールがロードレースのトップから消えてしまうのは寂しい限りです(*_*)

しかしギリギリの綱渡り状態でしがみつく姿も見るに忍びないです…

近々明確にワールドツアーチームとプロコンチネンタルチームの入れ替え制度が確立する(はず…)ので、もし予算が確保できなくても余裕のあるステップで復帰してほしいと思います

1番良いのは逆転満塁ホームラン的に大口スポンサーが付くことですが(^_^;)